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人材が成果を上げるための「働き方」を創る
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人材が成果を上げるための「働き方」を創る

デジタル庁

デジタル庁で人事・組織開発を担当しています、唐澤(非常勤の民間人材)と津脇(行政官)です。デジタル庁が直面してきた組織課題とその背景、解決に向けた奮闘の様子をシリーズでお伝えします。

最終回は、成果を上げるために基盤となる環境の整備について、ハード面とソフト面の両輪を交えてお話ししたいと思います。

ソフト・ハード面の職場環境の整備

人と業務を見える化し、データとして管理する

従来型の行政組織では、終身雇用前提の人材中心に構成され組織構造や業務内容も大きく変わらないため、何課が何をしているか大まかな暗黙知があり、分からないことがあれば相談できる人的ネットワークも十分にあることが一般的です。

受付や部屋の前にたどり着けば、座席表なども貼ってあり、役職に応じて、声をかける人を変えたり、話し方・相談の仕方を変えたりなんかもできます。

他方、デジタル庁は、コロナ禍で一気に顕在化した政府の取組みが不十分であった広範な課題や膨大なプロジェクトに一気に取り組むこととなったため、発足当初、何の業務があって誰が担当しているか、そもそもデジタル庁はどんな仕事をしているのか、全体を俯瞰して把握できる資料やツールがなく、それぞれが自律的に試行錯誤しながら目の前の業務に取り組んでいました。

また、官民多様な組織やバックグランドを持った人材がごちゃまぜにフリーアドレスで座り、今日、偶然、目の前に座っている人の担当プロジェクトも分からない、同じオンラインミーティングになぜか参加している人の役職も分からないといった状態でスタートしました。

また、終身雇用型総合職が中心の行政組織では一般的な「大量に異動が発生する時期が存在する」「前任と後任が入れ違いとなり引き継ぎが十分になされない」という事象が、異動を前提としない大量のジョブ型人材との関係では大きな問題となりました。

出入りが激しく、多様な人材が参画する組織だからこそ、すぐにキャッチアップでき、パフォームできる仕組みがどの組織より必要だと感じました。

そこでまず、人材情報(人事基礎情報)とプロジェクト情報(業務とそのメンバー)のマスターデータを一元管理し、全職員向けに可視化しました。胸を張って言えることではないですが、やっと整いました。

人材マスターは月次で、変化の激しいプロジェクト情報はデイリーでアップデートし、今後、プロジェクトやそのメンバー変更のログを全職員にその都度公開していく予定です。また、これらのマスターデータをベースに庁内の人材情報や手続きのワンストップ化にも取り組みます。

人材情報とプロジェクト情報のマスターデータを一元管理するツールの画面。業務と人材、アサインメントなどが管理されている。
人材情報とプロジェクト情報のマスターデータを一元管理するツール

さらに、昨今では人的資本の開示が社会で注目されていますが、デジタル庁でもこうした人材に関する情報をデータとして蓄積し、ダッシュボードとして可視化しつつ、分析をしてより適切なキャリア開発やアサインメントに反映していくといったことも、中長期的には取り組んでいきたいと考えています。

こうしたアクションは、外部のSaaSなどツールを活用したり、デジタル庁特有の部分については内製したりするなど、状況に応じて適切なシステムも活用していく予定です。

異動初日には、基礎的な組織概要・人事制度・労務管理・組織カルチャー等の説明に加え、役人幹部や民間の専門家から官民それぞれの業務説明を、官民一緒になって受けるオンボーディングを企画しています。

使用した資料は共同編集で常にアップデートし、異動者以外でも常に参照できるようにするなど、庁内の情報共有に努めています。

こうしたグループやチームを超えた協働のための仕組みについては、第二回組織サーベイでスコアが大きく改善しましたが、引き続き大きな期待が寄せられた項目でもありました。デジタル庁職員が心地よくスピーディにパフォームできる環境を作るべく、継続的な取組みが必要だと感じています。

デジタルな職場環境を整備する

デジタル庁では、ほとんどのミーティングがオンライン又はリアルとのハイブリットで実施されています。非常勤の民間専門人材が多く存在する中、(必要なセキュリティを満たした上で)様々な場所から仕事ができれば、ミーティングの予定も組みやすく、機動的に業務を進めていくことができます。

行政官の慣習として、直接上司に紙をもって説明に行く、そうでなくてもメールで丁寧に説明を書いて資料を添付するというメール文化が一般的でした。ご指摘を受ける度に、バージョンが増えていく構造です。

他方、スタートアップなどの民間企業では、チャット文化で短く要点だけを書き、共同編集機能を使ってバージョン管理をしないことが多いです。

こうしたコミュニケーションの取り方や情報の管理の仕方が人によって異なると、ある人はチャットで投げかけ、ある人はメールしか見ておらず、ある人は説明に来るのを待っている、電話をしてみたら怒られたなんてことが発生し、コミュニケーションの思想を統一することが重要だと痛感するに至りました。

そこで「コミュニケーションポリシー」を作ることとしました。
バックグラウンドによって異なる様々な意見が出ましたが、ひとまずまとめたポリシーの大きなポイントとして、チャット中心のオンラインコミュニケーションに移行すること、ファイルは共同編集する(クラウドベースで原則バージョン管理はしない)ことなどを定めました。

幹部から率先してトライアルしているところです。国会情報の共有やクリアプロセスもメールを原則廃止し、チャットでやり取りしています。

なぜコミュニケーションポリシーが必要なのかが書かれた資料。多様なバックグラウンドを持つ職員が心理的安全性を確保しながら、みんなが気持ちよく効率的に働けることを目的として策定されている。
コミュニケーションポリシーの資料

非常勤職員の多いデジタル庁だからこそ、非同期のコミュニケーションを重視し、その日オフィスにいなくても、ミーティングに参加できなくても、後からプル型で情報を取りに行ってキャッチアップできるよう、オープンチャネルの情報共有を前提にコミュニケーションを作りたいと思っています。

このため、試験的に利用していたSlackについて、セキュリティをしっかり考慮した上で正式導入しました。

デジタル庁内で利用されているコミュニケーションツールのSlackのスクリーンショット。浅沼デジタル監より週次でデジタル庁内で起こっている出来事が共有されている。
デジタル監の浅沼から週次で投稿される直近の出来事と情報共有
その投稿に職員から多くのリアクションスタンプが寄せられている。
多くの職員がフランクにリアクションしている

組織サーベイでは、PC環境やITツールについて全職員の6割が整備・活用されていると回答しました。ソフトウェアの開発環境という面ではまだ足りない部分も多く、民間専門人材からは引き続き厳しいコメントもありますが、行政人材からは比較的高く評価されています。

民間デジタル専門人材の働きやすい環境を、そして行政人材の業務効率化をかなえる環境を継続的に整備していきたいと思います。


デジタル庁発足後10か月が過ぎましたが、組織としては、初期の立ち上げフェーズが一段落したところだと思っています。

これまで書いてきた活動はどれも、多くの方々と議論をし、試行錯誤を重ねて、実施してきたものです。ここまでデジタル庁が進んでこられたのは、デジタル庁内外の皆様のご協力とご理解のおかげです。改めて御礼申し上げます。

ここからは、デジタル庁は次の段階に入っていく時期に来ていると思います。まだまだ完璧ではありませんし課題だらけですが、常に変化・進化していく組織でありたいと思います。

だからこそ、皆様のご協力を必要としておりますので、今後とも建設的なフィードバックやご意見、ご支援を、何卒宜しくお願いいたします。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!


デジタル庁組織改革の歩みシリーズ(全4回)

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