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デジタル庁の組織概要・ミッションと「4つのキャリアコース」について

デジタル庁では2024年8月、国家公務員の仕事に興味・関心がある学生を対象に「国家公務員OPENゼミ」を開催しました。

当日はデジタル庁の概要説明や職員による働き方の紹介や、職員との座談会など、デジタル庁のリアルを知ってもらうためにさまざまなコンテンツを用意しました。

本記事では、当イベントにご参加いただけなかった方やデジタル庁で働くことに興味がある学生等の皆さんに「デジタル庁で仕事をするイメージ」を持っていただけるよう、イベントの一部内容を抜粋して紹介します。

今回は、行政人材採用を担当するオグンシェ シャデによるデジタル庁の組織概要やミッション、入庁後に選択できる4つのキャリアコースの紹介です。

プロフィール:
戦略・組織グループ/行政人材採用
係員
オグンシェ シャデ

デジタル庁の組織体制について


デジタル庁の組織図。上部に『内閣総理大臣』『デジタル大臣』『副大臣』『大臣政務官』『デジタル監』が記載され、その下に『戦略・組織グループ』『デジタル社会推進機能グループ』『国民向けサービスグループ』『省庁横断サービスグループ』の4つのグループが配置されている。左下には『非常勤専門職専門人材ユニット』として、CPO(Product)、CTO(Technology)、CA(Architect)、CCO(Cloud)、CISO(Information Security)、CPRO(Public Relations)、CAO(Analytics)、CSO(Strategy)の役職が横並びで記載されている。
デジタル庁の組織体制(2024年10月1日時点)

はじめに、デジタル庁の組織体制について紹介します。

デジタル庁は2021年9月に設立された組織です。職員数は設立時から2倍近く増え、約1,100名体制となりました(2024年7月時点)。各府省庁、地方自治体、民間企業等から多くの人材が集まり、多様な専門性を持つ組織へと拡大しています。

多様な専門性を持つ組織として拡大していることを表す説明画像。左側に職員数として1,105名。これは設立時から1.9倍である。右側に職員構成として、円グラフが書かれており、行政人材445名、民間人材528名、自治体出身59名、その他(秘書や事務補助、運転手なども含む)73名と記載がある。
デジタル庁公式note「デジタル庁設立3年。世界に誇れるデジタル社会の実現と次世代の行政組織づくりに向けて」より

職員構成は自治体・府省庁出身の行政人材と民間出身の民間人材がおおよそ半々で、多様なバックグラウンドを持つ職員が集まっていることが特徴です。

国家公務員試験やデジタル庁が独自に実施する選考採用試験を通じてデジタル庁に採用された行政人材は、新卒採用・中途採用合わせて約70名近くになりました(2024年4月時点)。

2024年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、デジタル庁に求められる業務に適した体制を構築するため、当面は、1,500名規模の組織とすることが1つの目安とされており、更に組織が拡大していく見込みです。

「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」

デジタル庁では全職員が一丸となって政策を推進するために、「ミッション、ビジョン、バリュー」を制定しています。

  • ミッション:「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」

  • ビジョン:「優しいサービスのつくり手へ。大胆に革新していく行政へ。」

  • バリュー:「一人ひとりのために、常に目的を問い、あらゆる立場を超えて、成果への挑戦を続けます」

これらはトップダウンで策定されたものではなく、庁内で職員参加型のワークショップを開き、各自がアイディアを出しあいながら創り上げたという点も特徴です。

◆関連リンク:

デジタル庁での業務について

デジタル庁では、行政の仕組みや社会のデジタル化を進めることで、すべての人の暮らしを便利にしたり、新たなデジタル産業の創出や経済成長につなげたりする取組を推進しています。

3つの注力領域

デジタル庁の重点計画に関するフロー図。上部には『重点計画』と記載され、矢印で『注力領域』に続く。注力領域として3つの柱が示されており、左から順に『生活者・事業者・職員にやさしいサービスの提供』『デジタル基盤の整備による成長戦略の推進』『安全・安心で強靭なデジタル基盤の実現』と記載。下部には『プロジェクト群』として、複数の具体的なプロジェクトが3つの列に分けて列挙されている。左列には『マイナンバー制度』『デジタル認証アプリ』『公共サービスメッシュ』など、中列には『準公共(健康・医療・介護・教育・モビリティ)』『デジタルインボイス』『行政事業レビューの見直し』など、右列には『ガバメントソリューションサービス(GSS)』『ガバメントクラウド』『セキュリティ』『防災DX』などが含まれている。
2024年デジタル庁年次報告より

デジタル庁には、政府が今後どのようなデジタル社会を実現していくのか、
という計画「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づく3つの注力領域があります。

  • 「生活者・事業者・職員にやさしいサービスの提供」

  • 「デジタル基盤整備による成長戦略の推進」

  • 「安心・安全で強靭なデジタル基盤の実現」

これら3つの注力領域に基づき、具体的なプロジェクト群が複数設けられています。
※プロジェクト群は必要に応じて改組される場合があります。

国民の生活をもっと便利に

マイナンバーカード、マイナ保険証、マイナンバーに紐づく公金受取口座の普及状況を説明する3つのグラフ画像。マイナンバーカードの保有枚数は9308万枚(国民の約75%)。マイナ保険証有効登録数は7371万件(マイナンバーカード保有の約79%)。公金受取口座の登録数は6320万件(マイナンバーカード保有の約68%)
デジタル庁公式note「デジタル庁設立3年。世界に誇れるデジタル社会の実現と次世代の行政組織づくりに向けて」より
オンライン行政手続における国民や職員の負担軽減に関する画像。次の数字を記載している。e-Tax・公売電子入札とマイナポータルの連携数753万件(前年から57%増)。マイナポータル経由の引越し申請数68万回。ねんきんネットとマイナポータルの連携数510万件。マイナポータル経由のパスポート申請数30万回。マイナポータル経由の子育て・介護26手続申請数10万回。コンビニエンスストア等での証明書の交付回数3318万回。
デジタル庁公式note「デジタル庁設立3年。世界に誇れるデジタル社会の実現と次世代の行政組織づくりに向けて」より

デジタル庁では、デジタル社会の共通基盤として、マイナンバーおよびマイナンバーカードの整備、普及の取組を進めています。国民の皆さまの利便性向上につながるように、マイナンバーカードの利活用シーンの拡大にも努めています。

オンライン行政手続の利用状況に関する説明画像。「オンライン行政手続があたりまえに」の言葉とともに、次の数字を記載している。子育て・介護(マイナポータル経由の子育て・介護26手続申請数)10万回、引越し(マイナポータル経由の引越し申請数)68万回、確定申告(e-Tax・公売電子入札とマイナポータルの連携数)753万件、コンビニ交付(コンビニエンスストア等での証明書の交付回数)3318万回。
デジタル庁公式note「デジタル庁設立3年。世界に誇れるデジタル社会の実現と次世代の行政組織づくりに向けて」より
オンライン行政手続における国民や職員の負担軽減に関する画像。次の数字を記載している。e-Tax・公売電子入札とマイナポータルの連携数753万件(前年から57%増)。マイナポータル経由の引越し申請数68万回。ねんきんネットとマイナポータルの連携数510万件。マイナポータル経由のパスポート申請数30万回。マイナポータル経由の子育て・介護26手続申請数10万回。コンビニエンスストア等での証明書の交付回数3318万回。
デジタル庁公式note「デジタル庁設立3年。世界に誇れるデジタル社会の実現と次世代の行政組織づくりに向けて」より

アナログ規制の見直し

デジタル庁が注力している政策の一つに、「アナログ規制の見直し」があります。

デジタル庁では、2022年から目視や対面講習など、デジタル化を妨げるアナログ規制の点検・見直しに各府省庁とともに取り組んでいます。

見直しが必要とされた規制が8,164件ある中で、そのうち7,835件、約96%の規制が工程表等に沿って見直しを達成することができました(アナログ規制に係る工程表及び通知・通達の見直し方針のフォローアップ取組状況[2024年9月10日時点])。

◆関連リンク:

デジタルツールを活用したフラットな働き方を

デジタル庁では、多様な人材が一丸となって活躍できるように、フラットで自由な風土づくりにこだわっています。

例えば、組織文化の醸成を目指す取組として「MVVアワード」(※)などがあります。

(※)組織文化醸成を目的に、デジタル庁のミッション(M)・ビジョン(V)・バリュー(V)を体現した組織(チーム)と個人を表彰し、ロールモデルとして庁内に共有することで、ミッション・ビジョン・バリューのさらなる浸透を図る取組。​

他にも、オープンでフラットなコミュニケーションのために、大臣・副大臣・大臣政務官や幹部を含めた全職員が参加できる庁内の全体会議「オールハンズミーティング」が月1回程度のペースで開催されています。

また、行政と民間それぞれの知見をシェアし、お互いに学びあっていくために、勉強会も定期的に開催されています。

オフィスではフリーアドレス制を採用しているほか、ディスカッションや個人の作業など用途に応じて選択できる作業スペースが用意されています。

政府職員の共通業務環境「GSS」の導入など、業務環境の効率化や柔軟な働き方も推進されています。チャット文化の定着や業務のデジタル完結により、テレワークも可能です。

◆関連リンク:

デジタル庁で歩める「4つのキャリアコース」

行政官としてキャリアを積むにあたり、自分の意思で4つのキャリアコースから選択ができる。政策デザイン、リーガル、テック、組織設計を説明した図。政策デザインはユーザー中心で政策やサービスを企画・実行し、ステークホルダーと調整しつつ社会実装に結び付ける。リーガルは現行の法令をゼロベースで見直し、デジタル時代に沿った新たな法制度の在り方を立案する。テックはモダンなテクノロジーに寄り添い、サービスの品質向上に繋がるよう、エンジニアリングを遂行する。組織設計は生産性高く、自らデジタルファーストな組織を設計運営する。

最後に、デジタル庁でのキャリアについてご紹介します。

デジタル庁に国家公務員試験を受けて入庁する場合、試験区分を問わず「デジタル事務官」として採用されます。その中で専門性を身につけながら行政官としてのキャリアを形成できるよう、4つのキャリアコース(政策デザイン、リーガル、テック、組織設計)を設けています。

政策デザイン

政策デザインコースは「政策をつくる仕事」。生活者・事業者などのユーザー中心の政策やサービスを設計し、社会実装につなげる仕事に携わります。企画・立案スキルのほか、さまざまなステークホルダーと接する中でコミュニケーション力を獲得できます。

リーガルコース

リーガルコースは「ルール・法令をつくる仕事」。言い換えれば、現行の法令をゼロベースで見直し、デジタル時代に沿った新たな法制度の在り方を立案する仕事に携わります。法令知識やリサーチ力、確実な事務遂行能力が獲得できるスキル例と言えます。

テックコース

テックコースは「エンジニアリングの仕事」。モダンなテクノロジーに寄り添って、サービス品質向上につながるエンジニアリングに携わります。デジタルの専門的な知識はもちろん、サービス開発に必要な体制整備のための調達ノウハウやプロダクトマネジメントスキルを積むことができます。

組織設計コース

組織設計コースは、「組織をつくる仕事」。生産性高く、デジタルファーストな組織を設計・運営する仕事に携わります。具体的な獲得スキル例としては、目標設定力やBPRスキル、バックオフィス知識が挙げられます。

なお、「入庁時に決めたコースは変えることはできますか?」という質問をよくいただきます。さまざまな業務に触れるなかで、ご自身の関心が変化していくことも十分考えられますので、入庁後に他のコースを選択することも可能です。

キャリアパスの図。「自分で進みたいキャリアを選択できる」と記載されている。全体支店と現場感覚を双方を身に着け、自らキャリアとスキルを開発していくコースと、特定のキャリアを志向しないコースが書かれている。自分の意思で縦にも横にも自由にキャリアを深め、広げることができると記載がある。

少しでもデジタル庁の政策や働き方にご関心がありましたら、お気軽にデジタル庁にお問い合わせいただければ嬉しいです。

◆デジタル庁では、現役職員が仕事内容や働き方などを紹介する業務説明会をはじめ、インターンシップや座談会などのイベントを随時開催しています。詳細は以下のリンクをご覧ください。

◆新卒採用職員の紹介記事は、以下のリンクをご覧ください。

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