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新卒採用でデジタル庁へ。若手職員が語る仕事の魅力と意義

デジタル庁では、国家公務員(新卒採用)を目指す学生などを対象に、業務説明会や座談会などのイベントを随時実施しています。

2023年8月~9月には「2023年度 国家公務員OPENゼミ」(人事院主催)の一環として、職場説明会を開催。新卒採用で入庁した若手職員がデジタルを志望したきっかけや、現在の業務内容と仕事の魅力、学生時代の経験で役立ったことなどを語りました。

デジタル庁noteでは、8月に開催した説明会「【理系学生限定】夏の1Day職場訪問・仕事体験」の模様を紹介します。


デジタル庁で働く上で大切にしている「心構え」(西野・2023年入庁)   

8月に開催した説明会「【理系学生限定】夏の1Day職場訪問・仕事体験」に登壇するデジタル庁の西野。
西野真菜(2023年入庁)

2023年入庁の西野真菜です。大学院では「経営工学」を専門とする研究室に所属していました。メインでやっていたのは、建設現場での安全教育や作業改善に関する研究です。現場の方々が、より効率的かつ安全に作業ができるようにする手段や方法・教育内容を研究していました。

業務内容について

デジタル庁には2023年4月に入庁し、省庁業務サービスグループの「総括」と「ガバメントクラウド」のチームに配属されました。7月からはガバメントクラウド担当の専任です。

ガバメントクラウドとは、政府共通のクラウドサービスの利用環境のことです。行政機関や地方自治体の情報システムが利用できるクラウド基盤を提供しています。

私の業務は「ガバメントクラウドを利用したい」という行政機関や自治体への技術的な提案、利用上の問い合わせ対応です。ガバメントクラウドに関わる予算の執行管理にも携わっています。

行政機関や自治体のシステムをガバメントクラウドに移行するには、さまざまな手続きが必要になります。その際の調整やエンジニアとのやり取りを担っています。

「ガバメントクラウド」は自分の専門とは離れているのですが、「基本情報技術者」や「応用情報技術者」など、情報処理技術者の知識を入庁後に学びました。エンジニアとの議論についていけるよう、日々の勉強を続けています。

配属部署は入庁後に知らされます。なので、特定の分野の知識を深めることも大切ですが 、どの部署に配属されても活かせるよう、公務員試験の一貫で勉強したソフトウェアやハードウェアなどの基礎知識を学ぶことが大切だと感じています。

実際に働き始めると、1年目ではわからないことはたくさん出てきます。システムに関する話だけではなく、「なぜこのプロセスが必要なのか」「なぜこの手続きが必要なのか」など、行政官としてのあり方が問われる場面もあります。

重要なのは、わからないことから逃げないこと。わからないことを他の人に聞く心構えをしておくことが大切だと感じています。

志望理由について

私の場合は「デジタル庁で働きたい」という気持ちから国家公務員を目指しました。

大学院1年の1月頃になると、周りの人はすでに就職活動をはじめていました。インターンに行く人もいて、進路の方向性が決まってくる時期ですよね。

私はそれまで、日々アルバイトと研究という生活。進路のことは考えていませんでした。「そろそろ進路のことを考えなきゃな……」と思ったとき、2021年にデジタル庁が設立され、しばらくして「そういえばデジタル庁って耳にしたことあるな」と。

大学院で作業改善や作業効率を研究していたこともあり、アナログでやっているものをデジタル化することにはもともと興味がありました。

公務員の知人にデジタル庁がどんなことにやっているのか聞いたり、調べたりするうちに「新しいし、面白そう」と感じて。その頃にはデジタル庁に入りたいという気持ちが固まっていました。

学生時代の経験で役に立ったのが、研究室での議論のプロセスでした。デジタル庁では、さまざまなステークホルダーと一緒に業務を進めています。

「伝えたいことを齟齬なく伝えるにはどうすれば良いか」と、相手の立場にたって物事を伝えるスキルが大切と感じています。

「デジタル」というツールで社会課題の解決を(島田・2022年入庁)

8月に開催した説明会「【理系学生限定】夏の1Day職場訪問・仕事体験」に登壇するデジタル庁の島田。
島田能孝(2022年入庁)

2022年入庁の島田能孝です。大学院では物理学、主に量子光学を研究していました。

他の府省庁では理系の場合、「技官」という技術職になる例が多いです。でも、デジタル庁では全員が区別なくデジタル事務官として採用され、文系・理系を問わずさまざまな仕事に携わることができます。

業務内容について

デジタル庁の組織には四つのグループがあります。私は入庁後、戦略・組織グループの「総務総括チーム」に配属されました。

総括チームには、他の府省庁などから政策や方針や計画に関する問い合わせが寄せられます。これらを窓口として受け取り、庁内の担当部署と調整してお答えする業務に携わっています。

庁内の各プロジェクトに直接参加する部署ではないのですが、二歩、三歩引いた目線から全体を見て、サポートする。それが総括チームの役割です。

さまざまな調整に参加することで、どういうプロセスで、どんな政策が立案され、どのように実施されるのか、どの部署がどんなことをやっているのを学ぶことができます。行政官としての足腰が鍛えられる職場ですね。

1年目の秋には、デジタル庁と国会との連絡を取りまとめる「総務国会チーム」も兼務することになり、現在は国会チームの専任です。国会で想定される質問や、答弁内容の取りまとめなども担っています。

特に国会会期中は国会議員から政策に関する問い合わせが多数寄せられます。問い合わせがあれば、速やかに担当部署と連携するなど反射神経との勝負です。

国会チームも庁内の各部署との密接な連携が求められるので、行政官としての知見を鍛えるにはとても向いている部署だと思います。

志望理由について

高校や大学では生徒会や学内の委員会に参加していました。「どうすればみんなの学校生活が良くなるだろうか」「どうすれば便利になるだろうか」と、学校全体の利益を考える活動が好きだったんですね。

大学3~4年で民間企業のインターンも体験しましたが、高校・大学で培ってきた自分の考え方やマインドとのミスマッチを感じて。「もしかしたら公務員の方が肌に合っているんじゃないか?」と。それで公務員になることを考えました。

行政機関では「ゴール」と「ツール」、それぞれを軸として業務に取り組む府省庁があると思っています。たとえば環境省は、環境をよくするという「ゴール」を見据えて業務を遂行しています。

一方、財務省や経済産業省は、それぞれ「お金」と「経済」いうツールを軸に様々な分野の社会課題に取り組んでいます。

こうしたツールを通じて課題解決に取り組む府省庁に、私は魅力を感じました。これは、自分が働きたい官庁を選ぶ基準になりました。デジタル庁も「デジタル」というツールを通じて、あらゆる課題に挑んでいます。

デジタル庁は2023年9月に設立2年を迎えましたが、新卒採用の職員は現在私たち2年目の職員と今年入庁した1年目の職員のみです。

これから新しい組織の文化を形作っていくというミッションは、他の府省庁ではなかなか体験できないことなので、魅力を感じています。

広く世の中のため、自分の研究領域を活かしたい。(桜田・2022年入庁)

8月に開催した説明会「【理系学生限定】夏の1Day職場訪問・仕事体験」に登壇するデジタル庁の桜田。
桜田啓介(2022年入庁)

2022年に新卒で入庁した桜田啓介です。大学時代は情報工学を専攻する学部に在籍していました。

研究テーマは「機械学習によるバグの含まれたソースコードの自動生成」で、自然言語処理や機械学習、AIなどの研究をしていました。

業務内容について

現在はトラスト班とデータマネジメント班という二つのチームを兼務しています。

トラスト班では電子署名法と電子委任状法という二つの法律を所管しています。紙の書類への押印や署名、会社内での権限移譲の記録書類を電子化したり、電子データで扱ったりする際の基準を定めた法律。それが電子署名法と電子委任状法です。

トラスト班では、電子署名や電子委任状を有料サービスとして販売・提供したいという会社さんを許認可する業務に携わっています。電子委任状法の施行から5年が経過しましたが、現状の課題を有識者の方々とともに検討しています。

他の省庁と協力し、国の情報セキュリティに関する業務にも携わっています。総務省、経済産業省とともに開いている暗号技術検討会という有識者会議もその一つです。

ここでは国のシステムにおける暗号技術や、暗号化にどういうアルゴリズムを使うべきかを話し合い、基準となる「CRYPTREC(クリプトレック)暗号リスト」という一覧を出しています。

処分通知等のデジタル化」も、業務の一つです。たとえば、行政から国民の皆さんにハガキでお送りしている納税通知書や給付金の決定通知をマイナポータルのお知らせ機能やオンラインストレージ、電子メール等などでお届けできることを目指しています。

もう一つの所属がデータマネジメント班です。ここでは私たちが暮らす社会の基盤となる行政機関のデータを整えたり、自治体、民間の事業者さんが行政機関のデータを利活用できたりする環境づくりを進めています。

「データ」と一口にいっても、たとえば日付や時刻、地理座標や土地、地図などさまざまなデータがありますよね。このデータのフォーマットを定めるものが、デジタル庁が提供する「政府相互運用性フレームワーク(GIF)」です。

GIFに沿ってさまざまなデータを定義し、連携させることで、アプリの開発や災害時の避難所運営など、幅広く活用されることが期待されています。また、国の機関や自治体が持っているデータのオープンデータ化にも携わる機会があります。

デジタル庁ではオープンデータにすることを推奨しているデータ項目を公開しています。また、オープンデータを実施したいと考えている自治体へオープンデータに詳しい有識者を派遣し、実際の作業の進め方をお手伝いもしています。

志望理由について

デジタル庁に入りたいと思ったのは、学生時代に情報系の勉強をしていた影響が大きいですね。自分が研究していた領域を活かせる点に魅力を感じました。

行政機関の中でも新しい組織で、組織の設計や運営にも積極的に携われるのではないかと思い、志望しました。



デジタル庁の採用情報

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