「重点計画」紹介資料デザインの裏側
こんにちは、デジタル庁デザインチームです。
去る2021年12月24日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定しました。あわせて、この計画について紹介(解説)する資料を公開しました。
このnoteでは、この新しい試みの裏側を少しだけご紹介します。
作成の経緯
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」は、デジタル社会の実現に向けたあらゆる施策の拠りどころとなる重要なものです。
民間企業における「中期経営計画」に似た存在と捉えていただくと、想像しやすいかもしれません。
この重要な計画をスピーディに実行するには、デジタル庁や専門知識を持った方だけでなく、多くの方のちからが必要です。
一方で、閣議資料は本文で約118ページ、工程表などを合せると全281ページに及び、専門的な言葉も多く並びます。
そこで、重点計画をとりまとめる戦略企画チーム、私たちデザインチーム、民間のデザイン事業者の3者でチームを組み、計画に興味をお持ちの方に向け計画を要約した紹介資料を作成することにしました。
読者とシーン
この紹介資料で想定する主な読者は、重点計画、デジタル社会の実現、デジタル庁の活動などにもともと興味を持っているものの、詳しい専門知識を持たない方と設定しました。
計画の内容は、様々なかたちで国民の皆様へ伝える工夫がなされています。このプロジェクトではその一部として、主にデジタル庁ウェブサイトへアクセスしたときに、少しでも理解が進むことを目指しています。
主な工夫
作成にあたっては、アクセシビリティやユーザビリティの観点から、いくつかの方向性を定めています。
1. ウェブに掲載し、アクセスしやすく
資料は、ふたつの方法で同じ内容を公開しました。
PDF形式の資料
ウェブサイト上のコンテンツ
PDF資料では、図や文言の整理を通じて視覚的なわかりやすさを追求しています。
一方で、ウェブサイト上に同じ内容を掲載しました。これにより、デバイスの画面サイズに適した表示ができるようにしています。
また画像には代替テキストを付与してスクリーンリーダーなどでも情報を読みとれるようにし、ウェブアクセシビリティの確保につとめています。
2. 専門用語や固有名詞を言い換える
閣議資料には、たくさんの専門用語や固有名詞が用いられています。これらはこの計画以前に用語が定義されたものもたくさん含まれます。
「オープンデータ・バイ・デザイン」、「EBPM」、「クラウド・バイ・デフォルト原則」など
ひとつひとつの用語を理解しながら、全体を読み終えるにはたくさんの時間が必要そうです。
そこで紹介資料では、文中ではできるだけ一般用語へ言い換えるよう努めました。例えば分野ごとに施策を紹介するページでは、さらに深く理解したくなったときに紐づくキーワードを読んでいただく構成としています。
3. 網羅せず、要約する
今回目指すわかりやすさを叶えるためには、網羅性を約束しないことも重要です。
あくまで重点計画を理解する入り口として機能させるため、プレゼンテーションにして約15ページの分量へと要約しました。
興味を持ち、より知りたくなったら閣議資料を読む、という流れを想定しています。
これから
読者の方が紹介資料を読み終えたとき、概要が理解でき、さらにこの計画に興味を持ってくだされば嬉しい限りです。
また例えば、会社の同僚に「なんとなくしか知らないけど◯◯◯が大切らしいよ」と伝えてみた、知り合いと内容について議論した、というような行動に繋がればいいなと思っています。
ご意見お待ちしています
さて「デジタル社会の実現に向けた重点計画」は、2022年の中頃を目途にアップデートを目指しています。
その際には、皆さまから頂いたご意見をもとに、資料のあり方の根本から見直し改善していく予定です。
まだ読んでいない方、フィードバックされていない方は、ぜひデジタル庁ウェブサイトより声をお寄せいただけましたら幸いです。
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