デジタルに苦手意識を持つ人に寄り添いたい 新卒職員インタビュー
2021年9月に発足したデジタル庁では、新卒採用で入庁した職員が専門性を身につけながらキャリアを形成できる環境として、4つのコース(政策デザイン、リーガル、テック、組織設計)を設けています。
その一つである組織設計コースを選択している若手職員に、国家公務員を志し、デジタル庁を目指した理由や現在の業務内容などを聞きました。
閣議決定文書の照会対応など、大きな案件の調整も
――所属部署と具体的な業務内容、ミッションを教えてください。あわせて、ご自身がどのような業務に携わっているかお聞かせください。
大塩:
私は大学卒業後、2024年4月にデジタル庁に入庁しました。現在は、戦略・組織グループの総務担当企画班という部署に所属しています。他省庁から来るさまざまな照会などに対して、デジタル庁の窓として適切な担当に展開し、取りまとめや調整業務をしています。
私は係員のため、基本的な照会対応がほとんどになりますが、時には閣議決定文書の照会対応など、大きな案件の調整にも携わっています。
適切な照会対応をするためには、まずはデジタル庁の組織図や仕事の管轄などが頭に入れておくことが大切だと思います。研修時に配布されたデジタル庁の組織説明図を何度も見返しました。
また、照会の流れを掴むことも大切だと思います。これは慣れの要素が強い印象があり、現在も数をこなして覚えている最中です。分からないことがあった際は、自分なりに設定した質問をするかどうかの基準に当てはめ、必要に応じて質問したりして、業務にあたってきました。
先輩方は優しく教えてくださいますし、自分が聞いたこと以上のことを教えてくださるときもあって、毎日とても勉強になります。
――入庁から現在までを振り返って、印象に残っている仕事でのエピソード、やりがいを感じた瞬間、仕事で心がけていることをお聞かせください。
大塩:
戦略・組織グループの調査・企画チーム(現在のデジタル改革企画①:調査企画(調査・企画))に2024年4月~6月の間所属した際の経験が印象に残っております。
私は調査・企画チームの中でも、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の取りまとめ事務局に所属していました。6月21日の閣議決定までの毎日はとても忙しかったのですが、閣議決定文書を取り扱うということで、毎日業務にやりがいを感じましたし、チームも民間や他省庁・地方自治体からの出向者といった様々なバックグラウンドを持つ方々で構成されている個性的なチームであることから、学びの多い日々を送ることができました。
業務でやりがいを感じた瞬間は、自分なりに工夫して行った調整業務がうまくいったときですね。たとえば、通常のやり方に加えてもう少し丁寧に説明した方が良い照会は、個別に説明を加えたりと、丁寧な対応をするように心がけました。そうした工夫が功を奏し、さらに担当者の方にお礼の言葉を言われたときは、とてもやりがいを感じました。
――職場における1日のスケジュールを教えてください。
大塩:
私は9時30分から18時15分が定時となっています。
1日の仕事はメールやチャットのチェックから始まります。前日夜から朝にかけて来ていたメールやチャットを確認しながら、その日にこなすべきTO DOリストを作成し、案件をどんどんさばいていきます。日によっては班内のミーティングや会議の随行の予定もあります。
なお、お昼休みは持参したお弁当を食べることがほとんどですが、同じ班の先輩や同期と一緒にランチを食べに行くこともあります。
対象者に平等なアプローチができる
――大塩さんが国家公務員を目指そうと思ったきっかけや、デジタル庁を志望した理由をお聞かせください。
大塩:
国や地域全体に対して、平等なアプローチができる公務員への就職を希望しました。そして、その中でも国という大きな単位でお仕事ができることから国家公務員に魅力を感じていました。
特にデジタル庁のミッションである「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」というミッションに共感し、自分自身もそのミッションに向けて取り組みを進めていきたいと考え、デジタル庁を志望しました。
デジタル・ネイティブと言われる世代の中で、実は私自身はあまりデジタルを得意としているわけではありません。しかしながら、デジタル化はこれからの社会にとっては必要不可欠だとは感じていましたし、デジタル庁に自分のような職員もいることで、よりデジタルに対して苦手意識を感じている方々にも寄り添えるのではないのかと考えました。
つまり、自分自身の“苦手”が、逆に仕事に活かせるのではないのかと思い、誰一人取り残されずに国のデジタル化の推進に携われるデジタル庁への入庁を志望するようになりました。
――学生時代は何を専攻していましたか。併せて、国家公務員を目指すきっかけになったエピソードがあればお聞かせください。
大塩:
国際関係の学部に所属していましたが、当時、教育関係の仕事に興味があったため、教職課程の勉強を一番に頑張っていました。一方で、大学での勉強の中で、自分の関心は教育現場というよりも、教育行政への関心が深いことに気が付き、大学3年生の春ぐらいから公務員試験の勉強を始めていました。
その中で公務員試験の勉強に楽しさを感じてきて、学んだことをそのまま業務に活かせるのは魅力的だなと思いました。また、対象者に平等なアプローチができる仕事に魅力を感じたため、国家公務員を目指すようになりました。
――デジタル庁の魅力や特色、志望者に伝えたい職場の雰囲気をお聞かせください。
大塩:
さまざまなバックグラウンドを持つ方々が集まった組織である点が、デジタル庁の魅力の一つだと思います。
チームで業務を行う際も、多様な視点で業務ができるように感じます。私自身も現在他省庁・地方自治体からの出向者や民間からの出向者の方々と仕事をしており、さまざまな視点や考え方を学びながら日々の業務に励んでおります。
もちろん、様々なバックグラウンドを持つ方々がいることで、業務の調整に難しさを感じるときもあるかもしれませんが、多種多様な考え方や仕事のやり方が学べる組織であることは、デジタル庁の魅力だと思います。
――デジタル庁で今後チャレンジしたいこと、ご自身が将来携わりたい仕事をお聞かせください。
大塩:
私は誰かの成長へのサポートできたときにとてもやりがいを感じるため、将来的には、「教育」に関する部署に所属したいと考えています。
大学時代に塾のアルバイトでの経験や教職課程を履修していた経験から、教師の負担軽減や児童・生徒の学びの機会充実のためにも、学校教育におけるデジタルの活用は重要だと考えています。こうした理由からも、ぜひ教育のデジタル化を支援する仕事に携わることができればと思います。
また、デジタル庁で働く中で、現在の社会問題を解決する手段として、デジタルは一つの重要なキーになってくるという意識が強まりました。政府のデジタル人材育成に向けて取り組んでいる人事関係の部署の仕事も経験してみたいです。
公務員試験対策を通して「バランス力」を身につけて
――ご自身の経験を踏まえて、国家公務員試験の体験談や試験対策、試験に向け準備しておくべきことを教えてください。
大塩:
公務員試験対策を通して、「バランス力」を身につけることを意識すると良いのかなと今になって思います。
国家公務員を目指される皆さんは、これから膨大な科目・量を勉強していくと思いますが、全部を丁寧に勉強するとなると、いくら時間があっても足りないと思います。また、公務員試験はかなり多くの科目で構成されているため、すべての科目を「得意」にして、試験に臨むことは非常に困難だと思います。自分の経験を踏まえると、筆記試験だけでなく面接対策も必要ですので、すべての試験内容をバランス良く対策していくのが良いと思いました。
また、公務員試験対策ばかりの毎日ではなく、時には息抜きも入れるという感覚を持つと、精神的にも安定して試験を迎えられると思います。このバランス感覚は、現在国家公務員として働いている中でも大切だと感じています。こうした感覚を公務員試験の対策を通して身につけると、社会人になった際も役に立っていくのではないのかと思います。
――国家公務員を目指し、デジタル庁で働きたいと考えている学生らに向けたメッセージをお聞かせください。
大塩:
デジタル庁では、年齢や社会人経験年数に関係なく、新しいことや意見・提案に真摯に向き合っていく雰囲気がある、柔軟な組織です。ある程度の整合性はもちろん必要にはなりますが、「現状をより良くしたい」という提案に対して、上司や幹部の方々は真摯に耳を傾けてくださいます。
公務員試験の勉強や面接対策は、困難を感じるときも多く、大変な日々かと思いますが、すべての経験は、将来を前向きな方向に進める力になると思います。一緒にデジタル庁で働ける日を楽しみにしております。応援しています!
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