「同じビジョンを持ち、支えあう組織に」 統括官の仕事にかける想い(2)
デジタル庁では、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を大切にしながら業務に向き合っています。先日は、より素晴らしい姿勢で業務に取り組む職員を表彰する「MVV Award」で各賞を受賞したメンバーを紹介しました。
今回は、MVV Awardと同じくインナーコミュニケーション施策として行った、入庁したばかりの若手職員による統括官インタビューを紹介します。
デジタル庁にある4つのグループにおいて、それぞれのトップを務めているのが統括官です。今回、話を聞いたのは、国民向けサービスグループの村上敬亮、省庁業務サービスグループの二宮清治。これまでのキャリアに加えて、仕事で大切にしていることや組織のあるべき姿を聞きました。
バブルの経験を経て、「世のためになる仕事を」
――最初に、どんな経緯でデジタル庁で働き始めたのか教えてください。
国民向けサービスグループ 村上:
高校のころから「社会設計」に漠然と関心を持っていたのが、中央省庁で働くことを考え始めたきっかけかもしれません。勉強をしていくうちに、日本って世界各国と比較してかなり変わっていて、このままだと自分の首をどんどん締める状況になると思ったんです。
首が絞められるのをただ見ているよりは、自分で自分の首を締めたほうが生き様としては良いのではないかと考え、霞が関で働くことを希望しました。最初は通商産業省(現・経済産業省)に入って、最近では内閣府での地方創生に関連する業務、中小企業庁でのコロナ対応などを経て、現在はデジタル庁の国民向けサービスグループを見ています。
省庁業務サービスグループ 二宮:
私の場合、旧郵政省に入省したのがキャリアの始まりです。就職活動を考えたとき、当時はバブル真っ只中で楽しいことも多かったのですが、心のどこかにずっと違和感があって。両親がどちらも公務員だったこともあり、「世のため人のためになる仕事をしよう」と考えました。
当時は通信の自由化がちょうど進められている時期で、「この世界だったら社会の変化を肌で感じられるのではないか」と思い、旧郵政省に。その後、幅広い業務に携わった後、内閣官房 IT総合戦略室 室長代理などを経て、デジタル庁に携わることになりました。現在は、各府省庁のシステム開発・運用を担う省庁業務サービスグループを見ています。
多様な人材が意見をぶつけ、成果へのコミットを
――MVVの推進において、大切にしていることはありますか?
村上:
バリューの「成果への挑戦を続ける」文脈では、多様性が命です。地方創生で成果を出した地域を見ていると、とにかく多様な人が集まり、チャレンジするのを止めない環境があることが重要。もちろん組織としてルールを整備したり、チームワークを大事にする制度づくりにも取り組んでいます。でも、それ以上に行政官と民間の専門人材が互いの意見をぶつけ合い、ギリギリの状態を保ちながら、成果に向けたコミットをしていくことが、デジタル庁のような生まれたばかりの組織には求められるのではないでしょうか。
二宮:
同じくバリューの「成果への挑戦を続ける」においては、すぐに100%を求めないことも大事だと思っています。大きな課題に立ち向かうには、一定の期間を要します。ユーザーの方々のフィードバックを得ながら、素早いサイクルで改善を行うことを意識したいです。
混沌としているからこそ、新たな価値が生まれる
――デジタル庁の組織がどうあるべきか、お考えを教えてください。
村上:
多様性を大事にする組織になるためには、「共感力」が必要だと感じています。コミュニティとしての信頼が強固であればあるほど、多様性が許容されます。クラスの仲が良ければ良いほど、変わり者がクラスの中で生き残りやすいですよね。その結果、強靱なクラスができるし、意見が違う人がいたとしても、互いが互いを思いあえるんです。
そういう意味で、今一番欠けているのは技術でもなければお金でもなく、たぶん共感力なのではないでしょうか。一つのビジョンを目指すコミュニティを作る部分です。ここをどう作り直していくかを考えないと、働いている人も救われないし、社会も救われません。共通のビジョンを持ち、互いを支えあえるような組織になれるよう、私も頑張りたいと思っています。
二宮:
デジタルの世界は変化が激しいので、新しい発想や技術をできるだけ早く吸収しなければいけません。そうした環境をつくるために、行政官と民間の専門人材がMVVを共有し、仕事と向き合う必要があると考えています。ただ、それはみんなが同じ考えを持つようになるということではありません。多様なバックグラウンドを持つ人が集い、いろんな考えを尊重しながら、成果に向けたコミットメントができる組織を目指すということです。
まだ立ち上がったばかりで安定していない部分はあるかもしれませんが、だからこそ新たな価値が生まれる可能性が高まる。イノベーティブな組織の実現を目指して頑張りたいと思っています。
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