デジタル庁 2024年6月の活動報告
デジタル監の浅沼です。
2024年6月のデジタル庁の政策、サービス、組織に関する主な活動、およびプロジェクトの進捗や成果について共有します。
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。重点計画は、目指すべきデジタル社会の実現に向けて、デジタル庁をはじめとする、政府全体が迅速かつ重点的に進めるべき施策、具体的なスケジュールを示したものです。重点計画に沿って今後もさまざまな取り組みを推進していきます。
また閣議決定に合わせて、「国民の体験向上に向けた行政サービスの導入計画」を公表しました。日々の生活や生まれてからからお亡くなりになるまでの人生の様々な出来事(ライフイベント)に関連した新たな行政サービスの提供予定をサービスロードマップとして一覧できるようにまとめました。
1.生活者・事業者・職員にやさしいサービスの提供
マイナンバー法の改正(改正マイナンバー法)を含む「デジタル社会形成基本法等の一部改正法」が2024年5月31日に成立し、6月7日に公布されました。マイナンバーカードとスマートフォンをお持ちの方は、希望すればマイナンバーカードが保有している基本4情報等(氏名、生年月日、住所、性別、マイナンバー、顔写真)をスマートフォンに搭載できるようになります。
東京都が独自給付として実施する子供・子育て支援「018サポート」において、今年度新たに給付対象となる方の申請受付が2024年6月11日より開始され、「給付支援サービス」を利用できるようになりました。スマホで親子のマイナンバーカードを読み取ることで、公金受け取り口座情報の自動入力や家族関係が自動判定されるため、通帳や健康保険証の写しなどの書類が不要になります。
マイナンバーカードを使った本人確認を、安全に・簡単にするための「デジタル認証アプリ」をリリースしました。行政機関や民間事業者は、デジタル庁が無償で提供するAPIを活用いただくことで、マイナンバーカードを使った本人確認を簡単に組み込むことができます。
デジタル庁では、デジタル政策やサービスをより多くの方々に届けるために、日々コミュニケーションの改善を図っています。デジタルの現在や未来の情報を届けるオウンドメディア「デジタル庁ニュース」で、複数の動画を公開しました。またデジタル庁noteにて「スマートフォンにマイナンバーカードの券面記載事項が搭載できるようになります」、「国民の体験向上に向けた行政サービスの導入計画(国民向け行政サービスロードマップ)」に関する記事も公開しました。今後も、生活者に役立つ情報をお届けしていきます。
2.デジタル基盤整備による成長戦略の推進
デジタル庁は、2024年6月末までに目視や実地監査等のアナログな行為を求めるアナログ規制を一掃するための取り組みを進めています。2024年6月14日までに、見直しが必要な法令に基づく規制6,364件のうち約7割の見直しが完了しました。
デジタル庁では、災害時に発生する避難者支援業務(避難所運営業など)において、デジタル技術を活用した業務改善に関する調査研究を実施しました。この実証実験の報告書を取りまとめ、公表しました。
令和6年(2024年)1月に能登半島地震が発生し、デジタル庁としても支援を行ってきました。そこで得られた経験・知見や課題を踏まえ、今後の災害に備えた防災DXの実現に向けた取り組みを進めています。
3.安全・安心で強靭なデジタル基盤の実現
犯罪対策閣僚会議で「国民を詐欺から守るための総合対策」が取りまとめられ、本人確認が必要な場面において、マイナンバーカードのICチップを活用して、確実に本人確認を行うことが盛り込まれました。
6月3日:デジタル庁ニュースで「DMP」に関する動画を公開
行政機関がITシステムを調達する新しい仕組み「デジタルマーケットプレイス」(DMP)に関する動画をデジタル庁ニュースで公開しました。デジタル庁企画官の吉田泰己が、DMPの導入によって、行政側や事業者側にそれぞれどのようなメリットがもたらされるのかを解説しています。
6月4日:避難者支援業務のデジタル化の実証実験についての報告書を公表
デジタル庁では、災害時に発生する避難者支援業務(避難所運営業など)において、デジタル技術を活用した業務改善に関する調査研究を実施しました。この実証実験の報告書を取りまとめ、公表しました。
6月4日:令和6年能登半島地震を踏まえた今後の取り組みを掲載
令和6年(2024年)1月に能登半島地震が発生し、デジタル庁としても支援を行ってきました。そこで得られた経験・知見や課題を踏まえ、今後の災害に備えた防災DXの実現に向けた取り組みを進めていきます。具体的な取り組みについては以下の通りです。
・被災者マスターデータベースの構築
・マイナンバーカードを用いた避難者支援の充実
・防災システム・アプリ間でのデータ連携基盤の整備
・災害派遣デジタル支援チーム制度の創設
・庁共通のネットワーク環境の導入促進
6月4日:デジタル庁における防災DXの取り組みを掲載
デジタル庁における防災DXの各取り組みについて、これまでの状況と今後の方針をお知らせします。具体的な取り組みについては以下の通りです。
・防災分野の「データ連携基盤」の構築
・自治体における防災アプリ・サービス調達の迅速化・円滑化
・デジタル技術を用いた災害対応の高度化に関する実証事業
・「防災DX官民共創協議会」と連携した防災DX施策の展開
6月4日:デジタル庁ニュースで「防災DXの実証実験」に関する動画を公開
「防災DX」を紹介する動画をデジタル庁ニュースで公開しました。
デジタル庁は2024年2月、神奈川県の協力を得て、避難所運営や避難者支援に関する防災DXの実証実験を神奈川県で実施しました。
「大雨で川が氾濫し、複数の自治体が被災した」という想定のもと、「デジタル技術の活用による災害発生時の避難者支援業務の効率化」を検証。手続きにかかる時間を9割削減できたなど、実証実験で分かったデジタル化のメリットを紹介しています。
6月5日:ひたちなか市内の商業施設でマイナ保険証体験会を実施
茨城県ひたちなか市の商業施設「ファッションクルーズニューポートひたちなか」にてマイナ保険証体験会を開催しました。マイナ保険証体験会は、実際に医療機関に設置されているマイナンバーカードの読取装置(顔認証付きカードリーダー)のデモ機を使用して、顔認証による本人確認や、情報提供の同意に関する画面の操作を体験いただくことで、医療機関で安心してマイナ保険証を使っていただくための取り組みです。
実際に体験した市民の方々からは、「今までカードリーダーに触る機会がなかったので、触れてよかった」「医療機関のカードリーダーであれば、そのままマイナンバーカードの保険証利用登録ができることを知れて良かった」などの感想がありました。
6月6日:デジタル庁ニュースで「東京都副知事・宮坂学氏とデジタル庁デジタル監・浅沼尚の対談」を公開
デジタル庁ニュースで「東京都副知事の宮坂学氏とデジタル庁デジタル監の浅沼尚の対談動画」を公開しました。
前編では、浅沼から宮坂副知事に「都のDX」「ユーザー視点」「キャリア改革」の3つを聞いています。後編では、宮坂副知事から浅沼に「防災DX」「デジタルツール」「DX人材」の3つについて質問しています。
6月7日:浅沼デジタル監が「東京こどもDX2025つながる子育て推進会議」に出席
デジタル監の浅沼が、東京都が開催する「東京こどもDX2025つながる子育て推進会議」に出席しました。
こども・子育て分野のデジタル化においてスピード感を持って推進するために、デジタル庁では「018サポート」「子育て支援制度レジストリ」「医療費助成、予防接種、母子保健等のデジタル化(PMH)」において、東京都やGovTech東京、各府省庁との連携を行っています。
生活者の視点で、国、都道府県、基礎自治体の連携による政策やサービスづくりがあたりまえになるように、積極的に協働やコミュニケーションを進めていきます。
6月9日:河野デジタル大臣が能登半島地震の被災地を視察
河野デジタル大臣が能登半島地震の被災地における復旧・復興の取り組みを視察しました。
珠洲市では、被災者情報を一元化するため、新たに開発した被災者データベースについて伺いました。また、住民に配布したICカードで入退室管理をすることで、24時間物資の受け取りができる民間による無人フードバンクを視察しました。
輪島市では、実際の避難所である大屋小学校を視察し、避難所運営に携わるボランティアの方々から、発災直後、通信途絶やPCなどのIT機器の不足という状況の中で避難者の把握に課題があったというお話を伺いました。課題解決へ向けて、防災DXに関する取り組みを更に進めていきます。
6月10日:石川デジタル副大臣が能登半島地震の被災地を視察
石川デジタル副大臣が能登半島地震の被災地における復旧・復興の取り組みを視察しました。
輪島市、かほく市、内灘町にて被害状況を視察したほか、志賀町で避難所や入浴施設の利用時にSuicaを活用して避難者情報の把握をしている取り組みを視察し、志賀町長とも意見交換をしました。
また、石川県庁にて馳知事と能登半島地震におけるデジタル面での被害対応や今後の連携について意見交換を行い、小松市ではドローンによるスマート物流(本震災で孤立集落への物資支援にも活用)の説明を受け、市長との意見交換などを行いました。
視察を踏まえ、防災DXに関する取り組みを更に進めていきます。
6月11日:東京都の独自給付「018サポート」における給付支援サービスの利用が開始
東京都が独自給付として実施する子供・子育て支援「018サポート」において、今年度新たに給付対象となる方の申請受付が2024年6月11日より開始され、「給付支援サービス」を利用できるようになりました。
スマホで親子のマイナンバーカードを読み取ることで、公金受け取り口座情報の自動入力や家族関係が自動判定されるため、通帳や健康保険証の写しなどの書類が不要になります。
6月13日:デジタル庁noteで「スマートフォンにマイナンバーカードの券面記載事項が搭載できるようになります」を掲載
デジタル庁noteで記事「スマートフォンにマイナンバーカードの券面記載事項が搭載できるようになります」を掲載しました。
マイナンバー法の改正(改正マイナンバー法)を含む「デジタル社会形成基本法等の一部改正法」が2024年5月31日に成立し、6月7日に公布されました。
マイナンバーカードとスマートフォンをお持ちの方が、希望すればマイナンバーカードが保有している基本4情報等(氏名、生年月日、住所、性別、マイナンバー、顔写真)をスマートフォンに搭載できる措置など、国民の皆さまの利便性向上につながる「改正マイナンバー法」の主なポイントをご紹介しています。
6月14日:石川デジタル副大臣が茨城県境町の地域づくりを視察
石川デジタル副大臣が茨城県境町の地域づくりを視察しました。
市内でも運行が進む自動運転バスに試乗したほか、ドローンを活用した物流サービスの取り組みについて説明を受け、橋本町長ほか、関係者と意見交換などを行いました。視察を踏まえ、デジタルを活用した地域活性化の取り組みをさらに進めていきます。
6月14日:アナログ規制見直しの取り組み状況を公表
デジタル庁は、2024年6月末までに目視や実地監査等のアナログな行為を求めるアナログ規制を一掃するための取り組みを進めています。
2024年6月14日までに、見直しが必要な法令に基づく規制6,364件のうち約7割の見直しが完了しました。アナログ規制の見直し状況は下記ダッシュボードよりご覧いただけます。
6月18日:犯罪対策閣僚会議「国民を詐欺から守るための総合対策」のとりまとめ
犯罪対策閣僚会議で「国民を詐欺から守るための総合対策」が取りまとめられ、本人確認が必要な場面において、マイナンバーカードのICチップを活用することが盛り込まれました。
・携帯電話や電話転送サービスの契約時の本人確認において、本人確認書類の券面の偽変造による不正契約が相次いでいることから、犯罪収益移転防止法、携帯電話不正利用防止法に基づく非対面の本人確認手法を、マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、対面においても、マイナンバーカードなどのICチップ情報の読み取りを義務付けます。※
・マッチングアプリアカウントを悪用し、利用者を信用させるなどして、詐欺被害につながっている事案が確認されていることから、マッチングアプリ事業者に対し、アカウントの開設時に公的個人認証サービスなどによる、より厳密な本人確認を実施するなど、自主的な不適正利用対策に取り組むよう働きかけます。
マイナンバーカードは、偽造困難なICチップを使うことで、確実に本人確認を行うことができるツールとして、犯罪対策の観点でもさまざまにご利用いただけます。とりまとめを踏まえ、カードの利活用を引き続き、積極的に推進していきます。
※本人確認の方法はマイナンバーカードのICチップを読み取る方法に限られません。例えば、この方法には運転免許証や在留カードのICチップを読み取る方法も含まれています。
6月21日:「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。
重点計画は、目指すべきデジタル社会の実現に向けて、デジタル庁をはじめとする、政府全体が迅速かつ重点的に進めるべき施策、具体的なスケジュールを示したものです。
また閣議決定に合わせて、「国民の体験向上に向けた行政サービスの導入計画」を公表しました。日々の生活や生まれてからからお亡くなりになるまでの人生の様々な出来事(ライフイベント)に関連した新たな行政サービスの提供予定をサービスロードマップとして一覧できるようにまとめました。ぜひご覧ください。
6月22日:河野デジタル大臣がベルギーで行われた三極委員会ブリュッセル総会に出席
2024年6月22日から23日の2日間にわたり、河野デジタル大臣はベルギーで開催された「三極委員会ブリュッセル総会」に出席しました。
6月22日に開催されたセッション「Technology」に登壇するとともに、セッション前後の時間を利用して、各国からの出席者との間で、双方のデジタル分野の取り組み状況、先行事例や課題等について、意見交換を行いました。
6月24日:デジタル認証アプリをリリース
マイナンバーカードを使った本人確認を、安全に・簡単にするための「デジタル認証アプリ」をリリースしました。行政機関や民間事業者は、デジタル庁が無償で提供するAPIを活用いただくことで、マイナンバーカードを使った本人確認を簡単に組み込むことができます。
6月25日:アナログ規制見直しの取り組みについて語るイベント「RegTechミート」を開催
テクノロジーをお持ちの企業や規制対象事業者等が登壇し、RegTechコンソーシアムコミュニティ(Slack)を活用しながら、アナログ規制の見直しについて一緒に考えるオンラインイベント「RegTechミート」を毎月1回程度開催しています。今月はオンラインにて開催しました。
6月25日:マイナ救急の実証事業を全国67消防本部で実施
救急隊がマイナンバーカードを活用し、救急搬送される方の情報を正確かつ早期に把握し、救急活動の迅速化・円滑化を図る実証事業が全国67消防本部(660隊)で実施されています。
東京消防庁でのマイナ救急の実証事業を河野デジタル大臣、松本大臣、武見大臣が視察しました。
6月27日:薬剤師や事務職員の方、約1万名をデジタル推進委員に任命し、任命状授与式を開催
日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会と連携し、薬剤師や事務職員の方約1万名をデジタル推進委員に任命し、任命状授与式をおこないました。
各団体と連携し、国民の皆様がより身近にマイナ保険証の利用と登録について相談できる環境を作っていきます。
6月28日:マイナポータルの新機能(問診票入力・健診結果の確認)を活用した乳幼児健診が一部自治体で開始
一部自治体において、マイナポータルから乳幼児健診の問診票入力と健診結果の確認ができるようになります。オンラインで問診票を入力いただくことができ、健診時に書類を持参する必要がなくなります。
さいごに
今回、2024年6月のデジタル庁の政策、サービス、組織に関する主な活動、およびプロジェクトの進捗や成果についてまとめました。
これからも、国民の皆さま、そして関係省庁や地方自治体の方々に政府のデジタル政策やデジタル庁の活動を知っていただくため、情報をオープンにする活動を進めていきます。
ぜひ気になっていることなどございましたら、お声を聞かせてください。
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◆これまでの「デジタル庁からのお知らせ」記事は以下のリンクをご覧ください。