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はじめまして。デジタル庁のアクセシビリティチームです

みなさん、はじめまして。デジタル庁のアクセシビリティチームです。

私たちはデジタル庁にて、アクセシビリティ向上のための仕組み作りを行う民間人材の専門チームです。3名で構成されていて、そのうち2名は視覚に障害のある当事者です。この記事では、そんな私たちの取組や、アクセシビリティへの考え方などについてご紹介したいと思います。

(※記事冒頭、アイキャッチ画像の説明:「アクセシビリティの取組 1/3 はじめまして、デジタル庁アクセシビリティチームです」画像の左側には、アクセシビリティアナリスト3名が庁内で業務をしている様子を撮影した写真が掲載されている)


アクセシビリティとは?

さっそくですが、「アクセシビリティ(Accessibility)」という言葉を皆さんは聞いたことがあるでしょうか。アクセシビリティとは、「接近できること」「近づきやすさ」を意味する言葉です。そこから転じて、製品やサービスを利用できること、またその度合いという意味でも用いられています。

そして、ウェブにおけるアクセシビリティを「ウェブアクセシビリティ」といいます。具体的には、「利用者の年齢や身体的特性(障害の有無やその程度)、利用環境などにかかわらず、ウェブで提供されている情報や機能を利用できること」と定義されています。

デジタル庁では「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」というミッションを掲げておりますが、そのミッションの中には、アクセシビリティの考え方がしっかりと込められているのです。

障害のある人にとって、デジタルは強い味方


ここからは、アクセシビリティとデジタルの関係についてお話しします。

「障害のある人とデジタルって関係あるの?」
「そもそも障害のある人はパソコンやスマホを使うの? 使えるの?」

もしかすると、こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし実は、障害のある人にとってデジタルは非常に強い味方なのです。

視覚に障害のある人の場合を考えてみましょう。インターネットが登場する以前は、視覚障害のある人が何らかの情報を得たいと思ったとき、活字の情報を点字に翻訳してもらったり、誰かに読み上げてもらったり、拡大コピーしたりなど、第三者の手を借りることが多くありました。

しかし、インターネットが登場して多くの情報がウェブ上で公開されるようになったことで、この状況は一変。パソコンの画面上に表示された文字やキーボードから入力した内容を合成音声で読み上げる「スクリーンリーダー」や、画面上の文字を点字に翻訳して出力する「点字ディスプレイ」、画面全体を拡大したり色を変更したりできる「画面拡大ソフト」などを用いてウェブサイトを閲覧することで、必要な情報を自分自身の力で、好きなときに好きなだけ自由に調べて利用することができるようになりました。

ネットで新聞記事を読んだり、週末遊びに行くためのグルメ情報を調べたり、お弁当作りのためにレシピ検索したりできるようになったのです。情報を得るだけでなく、ネットで買い物をしたり、旅行の計画を立ててホテルや飛行機を予約したりもできるようにもなりました。

このことによって視覚障害のある人の生活全般における選択肢が増え、生活の質そのものが上がったといっても過言ではないでしょう。

色反転機能をオンにしたスマートフォンの写真。デジタル庁ウェブサイトを表示している。
ある程度視力がある弱視(ロービジョン)の視覚障害者は、このように色を反転させたほうが読みやすくなることがあります。

さらに、スマートフォンやタブレットの登場で視覚障害のある人の生活はさらにガラッと変わります。

現在流通しているスマートフォンやタブレットの多くには、障害のある人の使用を支援するアクセシビリティ機能が標準搭載されています。たとえば、iPhoneやiPadにはVoiceOver(ボイスオーバー)という画面読み上げ機能やズーム機能、色を見やすく調整する機能などが搭載されています。こうした機能を活用してアプリやウェブサイトを利用しているのです。

これらは視覚障害に限らず、デジタルは障害のある人の生活を非常に強力に支援してくれるツールなのです。

庁内にアクセシビリティチームが存在する意味

アクセシビリティチームの主な業務は、以下の4つです。

  • デジタル庁ウェブサイトにおけるアクセシビリティの確保・維持・向上に向けた取組

  • デジタル庁が所管するサービス(マイナポータルやワクチン接種証明書アプリなど)のアクセシビリティ向上に向けた取組

  • 庁内外に向けたウェブアクセシビリティの啓発

  • その他アクセシビリティに関するさまざまな業務

アクセシビリティの専門家、また障害当事者で構成される専門チームがデジタル庁で活動を進めることで、以下の効果があると考えています。今後は、このような効果をより最大化できるように取組を進めていきます。

  • デジタル庁が所管するサービス(マイナポータルなど)の開発において、初期段階からアクセシビリティへ配慮することができる。

  • 試作段階で、アクセシビリティテストが容易になる。

  • 庁内外に対して、実際に不便を感じている様子や改善案を、より説得力を持って伝達できる。

  • アクセシビリティに関する規格やガイドラインに基づく試験を内部で実施できる。

  • アクセシビリティを考慮した調達や、納品物のアクセシビリティに関する検収を行うことができる。

私たちは仲間を募集しています

アクセシビリティチームでは、デジタル庁が所管するサービスのアクセシビリティ実現に一緒に取り組む仲間を募集しています。興味をお持ちいただいた方はぜひ募集要項をチェックしてみてください。

障害のある人にとってデジタルが強い味方であることは、まだまだ社会に十分認知されているとは言えません。たとえば、視覚障害のある人が電車内やカフェなどでスマートフォンを操作しているのを見かけたと思われる人から

「目が見えないのに使えるの? ほんとは見えてるんじゃないの?」

という趣旨のSNS投稿を見かけることがあります。こうした投稿を読んだ視覚障害のある人が、外出先や公共の場でスマートフォンやタブレットを使うのをためらうこともあるようです。本来強い味方であるはずのデジタルを、社会の理解不足によって存分に活用できないのはとても残念なことです。このような状況を少しでも変えられるよう、私たちは発信を続けていきます。

アクセシビリティアナリストの和田が、スマートフォンの音声読み上げ機能を使っている様子。耳に端末を近づけ、読み上げ音声を聞いている。
視覚障害者の人は、音声読み上げ機能等を使ってスマートフォンをスムーズに使うことができます。スマートフォンは、今や日常生活に欠かせない存在です。

次回の記事ではこれまでの1年と少しの間、私たちが具体的に取り組んできたことについてご紹介します。

◆次の記事は以下のリンクをご覧ください


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◆これまでの「デジタル庁の職員/チーム紹介」記事は以下のリンクをご覧ください。


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