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「データマネジメント実践ガイドブック」についてのお知らせ

はじめまして、デジタル庁データマネジメントタスクフォースの柴田です。

私たちは、益々重要になってきているデータに関して、「もっと利活用してメリットを享受できる社会にしよう」、「もっと容易にデータが繋がる便利な社会にしよう」という方針を、現場の人向けに具体化することを担って活動しています。

本記事では、民間組織でデータを取り扱っている皆さまに向けて、デジタル庁における「データマネジメント」の活動をご紹介したいと思います。

データマネジメント実践ガイドブックとは?

データマネジメント実践ガイドブックとは、デジタル庁が発行する「デジタル社会推進標準ガイドライン群」の1つとして、2022年3月にリリースしたものです。

大量のデータを取り扱う情報システムにおいて、データマネジメントの重要性を理解してもらうことを目的としており、これからの行政に必要なデータの取り扱い方について、行政職員に向けて実践的かつ具体的な手順をガイドする内容になっています。

しかし、行政職員向けのガイドブックとはいえ、「データを組織の活動に活かせる状態を作る」というゴールは民間組織の皆さまと同じです。そのため、こちらのガイドにより、少しでも私たちの知見を活かしていただければと思っております。

内容としては、オープンデータに関すること、データ品質に関すること、データ管理に関すること、及びデータ標準に関することなどで、政府でのデータマネジメントのプロセスが具体的に記されております。

また、こちらのガイドブックは、先行してデータマネジメントを導入してきた環境省の実績をもとに作成しているため、現場でも有効利用できる実践的な内容になっています。ぜひご活用いただけると嬉しく思います。

データマネジメントの重要性について

データマネジメントとは?

やや堅苦しくなってしまいますが、データマネジメントとは、以下のような内容を指します。

「ビジネスや公共の活動における成果(価値)を最大化させるため、データの重要性に着目し、データを情報資産として捉え、その利活用戦略からシステム実装に向けた設計や開発、さらに稼働後の運用、利用に至るまでのデータ品質の維持・向上をベースとした継続的、組織的な活動」

この「継続的、組織的な活動」という部分がとても重要で、組織としての地道な、でも継続的な活動が結果的に大きな成果をもたらすということ、つまりその場限りの活動では良い成果は上げられないということです。

何事もそうなのでしょうが、特に大量のデータを扱う世界では、不備・不具合のインパクトも大きく、このデータマネジメントの活動が大変重要ということです。

そのような活動を通して、業務・サービスの品質向上、業務の効率化、あるいはEBPM(※1)での政策立案など、データを有効利用した様々なメリットが生まれてきます。

データマネジメントが出来ていないとどうなる?

近年、情報資産としてのデータの重要性が増しています。

ビッグデータ、オープンデータ、データサイエンスなど、世の中にはデータをトリガーとした用語が氾濫していますが、それはデータが大量に発生し、その管理・活用の仕方次第で行政事務(業務)の進め方や在り方、そして民間においてもビジネスが大きく変わる、とても重要な要素であるということを表しています。

データを情報資産とみなして価値を創造する、という考え方も広く知られるようになってきました。ではデータが適切に管理されていないと、どんなことが起こるのでしょう? 

起こりえる問題を以下に挙げてみます。
・データの分析や加工が容易ではなく、時間や工数がかかってしまう。
・業務や提供するサービスの質を落として、お客様へ不便をお掛けしてしまう。
・適切にデータの公開ができず、事務効率を落としてしまう。

このような状態では、データの利活用が進まないことはもちろん、さらに大きな障害を引き起こす可能性も高くなります。時々ニュースになる重大トラブルの原因を辿っていくと「データ」に起因されるものも数多くあるように思います。

データに対してマネジメントをしっかり行うこと、すなわち「データマネジメント」は、政府情報システムのみならず広く一般の情報システムにおいてとても重要なことなのです。

※1:EBPM(証拠に基づく政策立案のこと。 Evidence-based policy making)

ガイドブックの構成について

このガイドブックは、導入編と運用編の2編に分かれています。また、手順の中で使う調査票テンプレート(Excel、4ファイル)も別紙として提供しています。それぞれについて、説明させていただきます。

導入編について

導入編の構成は以下のとおりです。

・各府省庁においてデータマネジメントを実施するための準備段階として、現状調査~課題設定~実行ロードマップの策定~実施計画の取りまとめまでの一連の手順やそのポイントをガイドしています。

・現在、重点テーマとして以下の4つをリリースしています。

① オープンデータの推進 
② データの品質確保 
③ データ管理の高度化
④ データ標準の活用

運用編について

運用編の構成は以下のとおりです。

・導入編で策定したデータマネジメント実施計画を推進する上で、毎年継続的に実施していく取組の手順をガイドしています(定期的な調査や改善活動、モニタリング及び推進活動など)。

・データマネジメントにおける4つの重点テーマ別に手順をガイドしており、各府省庁の実情に合わせた形でテーラリングしながら、 1テーマからでも実施可能にしています。

・組織目標との整合性や人事異動での体制見直しなど、年々変化する事象に対しての手順もガイドしています。

ダウンロードはこちらから

ご紹介したデータマネジメント実践ガイドブックは、以下のリンクよりご覧いただけます。

<リンク>
GIF/460_実践ガイドブック at main · JDA-DM/GIF (github.com)

※GitHub利用不可の方は資料一式ダウンロードから取得してください。
資料一式ダウンロード

また参考までに、導入編、運用編、および調査票テンプレート例4ファイルをこちらに記載いたします。

465-1_データマネジメント実践ガイドブック(導入編)
465-2_データマネジメント実践ガイドブック(運用編)
465-3_オープンデータの推進状況に係る調査票テンプレート例
465-4_データ管理の高度化に係る調査票テンプレート例
465-5_データ標準の活用に係る調査票テンプレート例
465-6_データの品質確保に係る調査票テンプレート例

ぜひ実際に、皆さまのそれぞれの業務に役立てていただければ嬉しく思います。お読みいただきありがとうございました。

2022年10月21日 更新


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